内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『時効警察』の三木聡監督が、麻生久美子をヒロインに迎えて贈る奇想天外なハートフルコメディ。職を失い、男にも振られ人生不運続きのハナメ。ある時、自分が会ったこともない父の存在を知った彼女は彼を訪ねるが、そこにいたのは奇妙な風貌の男で…。


三木聡はいいね、やっぱり。

そして結婚することになりました。

ダスティンホフマンみたいな外国人に花嫁さらわれるかもしれないけれど、いまはすこし傾いたアパートでふたり暮らしをしています。ほんとうにかたむいているのです。

「Bobby Caldwell - Open Your Eyes」
http://www.youtube.com/watch?v=bi8O_uRpelQ

こっちもおすすめです
http://www.youtube.com/watch?v=8nUASJkGU8g

きょうは部屋のなかをアリがあるいています。
こそばゆい3匹。べつにいいけど、足の上でうごくのはよしてほしいものです
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GWシネマライズ、シネカノン有楽町2丁目、新宿バルト9他にて全国ロードショー
(C) 2008 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED


仕事で、NYに行ってきた。はじめての海外。普段は、納豆ごはんとか、さばみそ缶とか、そういうのが身近で、なんかいつもの自分の生活とは、かけはなれている感じなのだけど。
とても良い経験になったとおもう。目標となる人、見つけたような気がしたし。

帰ってきて、一番最初に会いたい人に会いに行って、
トレパンで過ごしたり、六本木ヒルズでしょうゆごはんを食べたり、
東京タワーをながめたりしたあと、おっさん手つなぎをして、新幹線に乗って名古屋へ。
なんか、くたくたになって帰ってきた。

ガラスのスプーンが見つからなくて、花スプーンになったけど。
それでも、いいのです。
つかれは心地よくて、幸福感が余韻を残して続いていく感じ。

久しぶりにスポンジ焼いたら、うまくできなかった。
なんでだろ。

『Marvin Gaye - Let’s Get It On live in Montreux 1980』
http://www.youtube.com/watch?v=s7eTOnNBwYU

『シュリスペイロフ/トロイメライ』
http://www.youtube.com/watch?v=PdI0H4CU2gY

『ミルク』、ひこうきで見たのだけど、とても良い映画でした。
「エレファント」での閉塞感が、すこしづつ希望を見出す方向にシフトチェンジしてる感じ。
ガス・ヴァン・サントはやっぱいいね。

それと、ニューヨークのノイエ・ミュージアムというところ。
すごくよかったです。
建物も、雰囲気があって落ち着くし、クリムトの絵が見れて、すごくうれしかった。

『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 Ι』、説明している人は、そんなにきれいな絵じゃない。と言っていて、それよりも絵の背景にある物語をほめていたみたいだったけど、
とてもきれいでした。

変わらないものなんてないかもしれないけど、それでいいとおもう。

と同時に、ほんとは変わらないといいのにとおもう

いとおしき隣人

2009年5月22日 映画
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『散歩する惑星』の鬼才、ロイ・アンダーソン監督による不条理ドラマ。ロックスターとの結婚を夢見る少女や、世界で一番ついていない夫婦など、冴えない人たちが夢と現実の間で繰り広げる悲喜こもごもをユーモラスかつシュールに描く。


ロイ・アンダーソンという人の映画、はじめてみました。
シュールで、間もゆったりしてて、おもしろいです。
間延びする部分もあるけど、落ち着いてみれました。

他の映画とも、笑わせ方がどこか違うし。
構図もこだわりがあっていい感じ。
なんか、不幸なんだか幸福なんだかわからない感じがいいです。

きょうはテレビにきむらたくやさんがでていた。
楽器屋かどこかで、ブルースハープを吹けますか、と聞かれて、
適当になら、と応えてなんかを吹いてた。

適当になら、と言って吹いたのに、なにやらさまになっていて感心する。

きっと「26歳さん、吹けますか?」といわれて、適当になら、と応えてふいたら、
ピーョルルルとか、スピーとか鳴って、「あぁ、ほんとうに適当に吹いてるよ、この人」的な空気をつくりかねないとおもう。

テレビに出てる男前の人というのは、たいへんだ。

あー、きむらたくやじゃなくてよかったと、いつのまにやら不必要な心配に安堵している自分の手には、じゃがいもが握られていて、そうだよなぁ、とおもう。
手のひらのそれに、なんだか納得させられる。ブルースハープよりじゃがいもだ。

花粉症がひどい。歯を磨いているときは、くしゃみなんかしたくないのに。

追記
髪を切ってきた。ちょっとみじかめ。
美容師さんから、ためになる話をきく。できる人は見てるところが違うらしいです。
そして、美川健一のモノマネをしようとおもったら、口の形をまねるといいそうです。

明日からお泊りの研修です。

うむ。(美川健一の口)


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末期ガンの父の最後を「楽しいものにしてほしい…」と願う母親の言葉を受けた長男が、長年の父との諍いを終わりにして、幸せな最後を演出しようとする。設備の整っていない公立病院に父のための特別の病室を作らせ、父の親しい友人たちを集めて、最高の環境を作り、その中で、父は毒舌をはきながらも息子を受け入れていく…。
アカデミー賞最優秀外国映画賞を受賞した感動作。死に向かってゆく男の姿を、これほどユーモラスに楽しく感動的に描いた作品が、これまであっただろうか。主人公は人生諦めきれず、当然、悔やむ思いもある。しかし、それを家族がしっかり受け止め、愛情を降り注いで、彼の死をやさしさで包み込むのだ。誰もが主人公の最期をうらやましいと思わずにいられないだろう。(斎藤 香)


世の中には、お互いになにも知らないまま、死んでいく人がいるとおもう。
スーパーにもたくさんいるし、地下鉄のなかにもたくさんいる。
知らない人や、どうでもいい人。

残酷だけど、目の前で、自動車にひかれても、
かわいそうに、とおもうだけかもしれないくらいの人。

で、自分も他の人から見れば、だいたいにおいて、その一人だとおもう。

たまに口を開けば、もごもごと喋り、要領をえない。
おちょこちょいすぎて、まわりに疲労感を撒き散らすのが得意な、救いようのない人。

とまで書くといいすぎだけど、

誰かが駄目人間だろうが、立派な人間だろうが、そんなん知ったこっちゃありません、とおもい、その姿勢をつらぬくことを、無関心といいます。そんでもって、だいたいにおいて、そんなふうにどうでもいい、って思ってることすら意識しないとおもう。

見る前は、この作品に対しても、そんな感じでした。

このパッケージみたいに、きれいな湖にたたずんでるおっさんが、
末期ガンかなんかで死んで、家族が悲しむんだろうね、どうせ。

とおもいつつ、借りたはいいけど、見ないまま1週間が過ぎ、返そうと思ったんだけど。
他のホラー映画やなんかを家に忘れて、結局、取りに行く羽目になったので鑑賞。

で、この文章の流れでいくと、実際にみてみたら、ものすごいいい映画だったやないの。と、書きたいところだし、そんなふうに書くつもりだったけど、やっぱりいいや。

いいたいことは、末期がんのおっさんが死ぬ、っていう12文字に要約できる物語は、
本とか、ワインとか、音楽とか、友情とか、親子の関係とか、思想とか、いろんなもんを含んでるってことです。

いい映画だとおもう。みてみるといいさ、ちょっと泣きそうになるから。

見た後、軍事力について、すこし考えたんだけど、もし軍事力を完全に数値化できないとすれば、つまり、一国の軍事力のうち、数値化できない部分があるとすれば、政府が抑止力のためにミサイルを購入をするとき、どんな指標をつかってしているんだろう。

とおもって、ちょっと検索してみたら、軍事力ランキングなるものがあることを発見。
そのランキングは「1.軍事予算の支出、2.軍事理論や技術、3.自主開発能力、4.国の経済基盤」などをもとに、軍事力を計算しているらしい。

そういう要素が、パワーバランス考えて、ミサイルのお買い物をする際の指標になっているんだろうか。もっと総合的に考えられているとはおもうのだけど。

ふーん。とおもう。ちなみに、国防費はだいたい、GDPの1%あたりで、
2・3兆円?の年金の予算より、国防費のほうが大きいらしいよ。

もちろん、国防費の半分以上を占めている自衛隊の貢献は、国防だけに限定されるものじゃないだろうけど、約2500万の年金受給者世代にかけるよりも、国を守るための費用のほうが大きいってことになる。

関心の度合いというか、価値の置き方としては、あんたら老齢世代の豊かな暮らしよりも、国民全体の安全ですから、ってことだとおもう

1億を越える国民が安全な生活を送るために、必要な費用なんですといわれれば、
納得してしまいそうだけど。なんか引っかかってしまいます。
武力がもつ抑止力とか、数値化できないから厄介なんだろうなぁ。(計算方法あるのかな。)

内容紹介
ベストセラー作家、スティーブン・キングの原作を名匠デ・パルマが手掛けた戦慄のホラー・ムービー!


キャリー…シシー・スペイセク
マーガレット…パイパー・ローリー
ビリー…ジョン・トラボルタ

監督:ブライアン・デ・パルマ
製作:ポール・モナシュ
原作:スティーブン・キング
●字幕翻訳:菊地浩司


クラスメートにいじめられてばかりのキャリー。しかし、彼女には隠されたパワーがあった。あるパーティで突然クィーンに選ばれ有頂天になった彼女だが、それがクラスメートの残酷な悪戯であったことを知る。舞台に立つキャリーに真っ赤な血が降り注ぎ、彼女の悲鳴が、そして次の瞬間本当の惨劇が起こった──!


●90分を超える映像特典で「キャリー」のすべてが明らかに!


●ドキュメンタリー集(「キャスティングと演技」「製作秘話」「『キャリー』のミュージカル化」)
●フォト・ギャラリー集
●オリジナル劇場予告編

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ホラーの鬼才スティーヴン・キングの長編小説を、当時新進のブライアン・デ・パルマ監督が悪夢のような映像美で描き上げた青春ホラー映画の秀作。学校ではいじめられ、家では狂信的母親にののしられる日々を過ごす少女キャリー(シシー・スペイセク)は、遅い初潮を機に超能力に目覚める。一方、そんな彼女をプロム・パーティで励まそうとする友人(エイミー・アーヴィング)の優しい思惑は、心ない悪ガキ(ジョン・トラボルタ)どもの魔手により、やがて壮絶極まりない惨劇の扉を開けることに…。

スローモーションや分割画面を駆使したクライマックスのすさまじさは今も語り種。ラストの処理は、その後のホラー映画の定番となるなど多大な影響を与えた作品でもある。ビノ・ドナッジオの甘美な音楽も、逆に悲しさを増幅させる優れた効果を醸し出している。(的田也寸志)


ホラー映画が苦手だ、というわけで、苦手なものを克服してみようとおもい、クラシックなホラー映画をみてみた。

2000年代にみると、あんまりこわくないです。むしろ、コミカルでそれでいて、切ない感じがする映画でした。冒頭のバレーボールの試合を撮る構図とか、シャワーシーンがよかったです、あとは、プロムのシーンもキラキラしてきれいだったし、ドリフのコントでたらいが落ちてくるのを思い出したりしました。

おかあさんがにんじん切ってるシーンもおもしろかったです。

ブライアン・デ・パルマ。いいね。

ウェス・アンダーソン、ってきっと彼に影響されてるような気がするのです。ってどこかに書いてあって、たしかにそうかも。とおもったのでした。スローモーションとか、長まわしとかだけど。

ホラー映画。まだ序の口。

もうちょっと見てみたいな。

いや、そろそろ勉強しないと。


過去のない男

2009年3月27日 映画
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フィンランドの異才アキ・カウリスマキ監督が、記憶をなくした男の戸惑いと淡い恋をしみじみと語る、カンヌ映画祭グランプリ&主演女優賞受賞作。ヘルシンキにやって来た男が暴漢に襲われ、記憶喪失に陥ってしまう。彼は港湾のコンテナで生活を始め、食事や服の面倒をみてくれる救世軍の女性に恋をするが、銀行強盗に巻き込まれたことから身元が発覚し…。
カウリスマキ監督ならではの、無表情な登場人物、少ない台詞。しかし、そこに人生の悲喜こもごもが見え隠れし、深い感動を誘う。犬に至るまで脇役の存在感も強烈だ。劇中に、クレイジーケンバンドによる日本語の曲「ハワイの夜」が流れ、「にぎり鮨」も登場するなど、唐突な日本ネタに思わず頬が緩む。(斉藤博昭)

内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『浮き雲』のA・カウリスマキ監督作。ヘルシンキに漂着したある男が、突然暴漢に襲われた。男は奇跡的に一命を取り留めたが、過去の記憶をいっさい失ってしまう。人生の苦渋を浮かび上がらせながらも、やがて生まれる再生と希望を感動的に描いた傑作。


きょうは、バナナを買ってきて、ミックスジュースをつくってみた。
黒ゴマと豆乳で、なかなかおいしい。

夜、アンジェラ・アキがNHKの番組にでてた。

未来の自分に宛てた手紙を、中学生が朗読する場面があって、甘酸っぱい気分になる。
本当の自分とか、やっぱり思春期には考えてしまったけれど、今はあんまり考えない。

別に、答えがでたわけじゃないし、全然解決してないとおもうのだけど。

『過去のない男』をみてみた。とてもいい作品だった。
出てくる人はあまり愛想がなくて、あまり余計なことを喋ったりしない。
だからこそ、そういう演出のなかで、言葉じゃなく行動としての人情みたいなものが、際立って感じられるというか。

アドレナリンはあんまり出てる感じではなく、静かに淡々と、自分が誠実だとおもう行動をとっているような気がする。

アイデンティティを喪失した人が、それを取り戻すわけじゃなくて、それを塗り替えていく。
その過程が、とてもわくわくするものだった。そこには、過去の記憶をベースにした、自己の再構築っていう意図はあまりないとおもう。そこにあるのは、「本当の自分はなにか」じゃなくて、「本当に大切なことはなにか」って問いだとおもう。

誰かのために動くっていうより、自分が大事だとおもうから、そうしたいからそうするんだ、っていう意志、いい意味で空気をよまない感じ。(もちろん、その人にとって必要なものをきちんと考えられた上での話だけど。)その物語を通して、貧しさ、みたいな問題も描かれていて、すごいとおもう。つぎに何が起こるんだろうってわくわくしながら見れて、社会性があって、はっとするような構図があって、本当にいい作品でした。

アマゾンのレビューには、過去の作品からの引用シーンが多いことから、それがアキ・カウリスマキの作品に出演していたマッティ・ペロンパーへ捧げたものなんじゃないか、ってことが書かれていて、ふーん、そうなんだ、とおもった。
もしかしたら違うかもしれない、その深読みが、なんとなくおもしろいとおもう。


追記
近所に、駄菓子カンパニーと書かれた建物がある。

看板には、玉ねぎのお父さんがスコップを持っていて、そのスコップの上に玉ねぎの息子がうれしそうに両手をあげて、笑顔で座っている。あれを見るたびに、スコップの上に座ってるだけなのに、どうしてそんなにうれしそうなのだろう、とか、駄菓子カンパニーなのに、どうして玉ねぎなんだろう、と疑問に感じるのだけど。

あんなふうに意図のわからないもの、計りにくいものっていうのはけっこう面白い気がする。

『Angela Aki - Will you dance (live)』
http://www.youtube.com/watch?v=RMJwQgFQJA4

ジャニスイアンの曲。(原曲もとてもいいよ。)
今さらだけど、アンジェラさん、歌うまいなぁ。

『We’re all alone - Angela Aki』
http://www.youtube.com/watch?v=jG5e42WXUcI

↑こっちのカバーもよかったです。

歌詞の意味とか、けっこうちがうような気もするけど。
むしろ、曲を借りて、アンジェラさんが日本語の歌詞をくっつけたと考えたほうがいいかも。


街のあかり

2009年3月22日 映画
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ヘルシンキの警備会社に勤めるコイスティネンは、同僚や上司に好かれず、黙々と仕事をこなす日々。彼には家族も友人もいなかった。そんな彼に美しい女性が声をかけてきた。ふたりはデートをし、コイスティネンは恋に落ちた。人生に光が射したと思った彼は、起業のため銀行の融資を受けようとするが、まったく相手にされなかった。それでも恋している彼は幸せだった。しかし、実は恋人は彼を騙していた。彼女は宝石泥棒の一味だったのだ…。
『マッチ工場の少女』『レニングラード・カウボーイ』などの秀作を世に送り出し続けるフィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督作。本作のテーマは “孤独”。ひとりぼっちで生きる彼に起こる不幸はとても辛いものだけれど、彼は気づかないのだ、幸せの芽がすぐ側にあることを。切ない出来事のあとにジンワリ心に広がる希望、やはり“人生、捨てたもんじゃない”と思わせてくれる、やさしさで包み込むような物語が心地よい。ただコイスティネンを演じるヤンネ・フーティアイネンは友も恋人もいない寂しい男を演じるには男前過ぎる気もしたけれど。寂しそうな姿が実に絵になっていた。(斎藤香)


アキ・カウリスマキの映画。はじめてみたけど、なにかフィルターを通して描いてるみたいに、無機質な世界で、それでいて、どこか人情があってよかったです。ラストシーンが、ささやかなつながりを感じられるように、ひかえめに描かれていて、とても印象に残りました。

無機質で、清潔感があって、主人公は孤独で、暴力もあるのに、悲壮感はこれっぽっちもありませんでした。
むしろ、みょうなおかしさがあって、あきらめとは違う現状認識とささやかな希望があって。
そういう世界だから、ラストシーンがとても印象に残るんだとおもう。

「過去のない男」とか、他の作品もみてみたい。

夕方、寝てしまった。

でも、ねよう。

『Dinosaur Jr. - We’re Not Alone』
http://www.youtube.com/watch?v=cOB0pO9vZKc

焼きプリンうまい。
内容紹介
「めんどうくさいけど、いとおしい。」
「いろいろあるけど、一緒にいたい。」

“決して離れない”1組の夫婦の10年を描いた、珠玉のラブストーリー

★第32回山路ふみ子映画賞受賞
★報知映画賞 最優秀監督賞受賞
★第32回日本アカデミー賞主演女優賞受賞(木村多江)
★第23回高崎映画祭・最優秀作品賞 ・最優秀主演女優賞(木村多江)
★第51回ブルーリボン賞 ・主演女優賞(木村多江) ・新人賞(リリー・フランキー)
★毎日映画コンクール
・日本映画優秀賞・最優秀脚本賞(橋口亮輔)

◇世界中が待ち望んだ、橋口監督最新作
前作『ハッシュ!』(02)でカンヌ国際映画祭ほか、数々の映画賞受賞で話題となった橋口亮輔監督。
最新作は、1990年代初頭から21世紀にかけて実際に起きた様々な社会的事件を背景に盛り込みながら、一組の夫婦の時の流れを丁寧に紡いだ物語。
ささやかだけどいとおしい“夫婦の映画”の傑作が誕生した。
◇主演は木村多江×リリー・フランキー
几帳面であるがゆえに、少しずつ心を病んでいく妻・翔子を演じるのは木村多江。ひょうひょうと生きる法廷画家の夫・カナオ役に、本格的な映画主演に挑むリリー・フランキー。
時に寄り添い、時にぶつかり合う二人の姿は、観る人の心を大きく揺さぶる。
◇社会を反映した物語を彩る個性派キャストたち
夫婦の再生のドラマを描き出す一方で、その社会背景にも迫る本作。法廷シーンには加瀬亮、田辺誠一、光石研らが出演するほか、倍賞美津子、柄本明らのベテランや、
寺島進、八嶋智人ら個性派俳優が脇を固めている。

※2枚組(本編+特典ディスク1枚)
※アウターケース付き
【本編Disc】 142分+特典映像
○音声
・ オーディオコメンタリー:監督×リリー・フランキー×木村多江・ 視覚障害者対応日本語音声ガイド
○字幕
・ 聴覚障害者対応日本語字幕・ 英語字幕
○特典
特報/予告編/TVスポット/『ハッシュ!』予告編
【特典Disc】107分
○『ぐるりのこと。』メイキング
○『ぐるりのこと。』未公開映像集
○Akeboshi×映画『ぐるりのこと。』special
【封入特典】
○豪華ブックレット(80P)

●原作・脚本・編集・監督:橋口亮輔(『ハッシュ!』、『二十歳の微熱』)
●キャスト:木村多江、リリー・フランキー、倍賞美津子、寺島 進、安藤玉恵、八嶋智人、寺田農、柄本明 他
●制作:シグロ●配給:ビターズ・エンド●製作:シグロ/ビターズ・エンド/衛星劇場/アミューズソフトエンタテインメント/博報堂DYメディアパートナーズ
(C)2008 「ぐるりのこと」プロデューサーズ
※仕様・内容は変更する場合があります。

内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『ハッシュ!』の橋口亮輔監督によるラブストーリー。90年代のさまざまな社会的事件を背景に、困難に直面しても離れずに生きていく夫婦の10年の軌跡を描く。映画初主演の木村多江とリリー・フランキーが共演。


派手なシーンはないのに、おもしろかったです。感動しました。
『ハッシュ!』の監督だって、観たあとに知りました。(『ハッシュ』もいい映画。)

言葉だけじゃなく、音や振る舞いを含めて、自分たちの気づかないところで、
それが誰かにとっての暴力として機能していることがあるとおもう。
本人がもし、そのことに気づいていたとしても、それがどれだけ相手を傷つけているのかを量るのはむずかしいこともあって、暴力の主体にはほとんど罪悪感を残さない。

その場合、「気づかないうちに傷つけてる」というのとは、すこし違うとおもう。
「思っているよりも傷つけていることに気づいていない」が正しいかもしれない。

普段、そんなふうに、大部分の人にとって「たいしたことない」で片付けられることについて、あれこれ言うことは、自分を貶めることはあっても、格上げすることは、ほとんどないとおもう。生活しているなかに存在する、何か嫌なこと、抑圧的な事柄、振る舞いには、誰かにわざわざ伝える必要のないレベルというのがあるのだ、それについて、そんなことにあれこれ言うくらいなら、もっと楽しいことをしたほうがいいからとか、いろいろ理由があるとおもう

でも、何も言わないから、誰も指摘しないからといって、そんなものこの世にないとは言い切れないわけで。

「ぐるりのこと」や「ハッシュ」をみておもったけれど、橋口監督はそういう細かい部分について、とても上手に描いているとおもう。そういうミクロの視点というか、細部に対する注意を払っているだけの映画はあって、そういう作品には、わりと退屈な作品がおおい気がするけれど、この作品は、そういう細部の丁寧な描写を積み重ねながら、10年という長いスパンでみたある夫婦の人生が、受け手の興味を失わないように組み立てられていて、演出面なんかも含めて、とても素晴らしいとおもう。

演技も脚本も、とてもよかったです。「おくりびと」と同じくらいよかったかも。
まじでオススメです。
この映画、みたいです。
是枝さんの作品はあんまりみたことないけど、ぺ・ドゥナがすきだし。
業田さんの原作も読んでみたい。

きょうは、ちいさなおっさんについて考えていた。
世の中には、ちいさなおっさん、という妖精がいるらしいのです。

ネットで「ちいさなおっさん」で検索してみると、けっこう目撃談が。
ほんとうにいるのでしょうか、ちいさなおっさん。

とまぁ、1行につきひとつ、「ちいさなおっさん」という言葉をふくんでみると、
文章がくどくなります。なんだか、おっさんなのにかわいいらしいのです。
そら、かわいいおっさんだっているさ!

今日は大根がやすかった。一本100円だったのです
こんぶだしで煮て食らう、田楽みそさまと。

だいこん、おいしいよ、ちいさいおっさん。

おひるごはん、つくったぞ、このやろう。
レタスとハムのサンドイッチ。

よるは、ちょっと勉強とドラム練。
明日も期待はせずに、がんばれるといいな。


内容(「Oricon」データベースより)
顔もスタイルも悪くないのに、不器用でなかなか恋が芽生えないヒョンチェ。ある日、彼女は図書館の美術書に書き込まれた愛のメッセージを見つける。これこそ運命の相手に出逢う手がかりに違いないと信じたヒョンチェは、懸命に送り主を探し始める…。『グエムル-漢江の怪物-』『リンダリンダリンダ』のペ・ドゥナ主演で贈る、恋に恋する季節を繊細なタッチで描いたロマンティック・ラブストーリー。


本当は『子猫をお願い』を見たかったけど、近くのレンタルビデオ店にはなくて、
これを借りてきた。

ペ・ドゥナ、かわいい。きぐるみ、似合う。そんな原始人的感想。

顔のみえない人に恋をする話。主人公は、相手がだれかわからないけど、よくしらないけど、気になってしまう、どんな人なんだろう、っておもう。ユーモアもあって、すこし見ててはずかしくなるようなシーンもあるけど、なかなかいい映画でした。

きょう、たまたまラブソングについての文章をよんだ。
世の中にはたくさんのラブソングがあるけど、”いかれたbaby”を超えるラブソングはない気がするって。自分のなかで、そんなふうに思える曲ってなんだろう、っておもった。

たぶん、UAのミルクティー、って曲だとおもう。
言葉がきれいだし、音もゆらゆら揺れてて、ほんわかする。
とてもいい曲だ。いかれたbabyも、すごいいい曲だよね。

今日はあたたかくてきもちのいい日だった。

日差しがあれば、セーターとシャツだけで過ごせて、
お弁当買った後、外を歩くと、日なたはポカポカして頬がゆるくなる気がする。

ねこがほしい。もしくは猫と住んでる友達。
すごくたのしいとおもう。

バベル

2008年12月30日 映画

『バベルの塔』
ノアの大洪水後、人々が築き始めた天に達するような高さの塔。神は人間の自己神格化の傲慢を憎み、人々の言葉を混乱させ、その工事を中止させたという。



小学校5年生の時だったとおもう。どうしてそんな話になったのかわからないけれど、クラスで「怒り」について話し合うことがあった。みんなで「人が怒るのはなぜだろう」ということを改めて考えることになった。当然、「どんな時に自分や他人が怒るのか」について考えざるをえなくなる。

でも、それぞれに語る怒る理由はてんでばらばらだった。思い通りにいかない、ってのが多かったとおもう。共通の理由なんて見つからないような気がした。それでも最後に、担任の先生が提示した一つの結論は、「わかってほしい人にわかってもらえないときに怒りが生まれることが多い」ってことだった。

きっと、その結論に至るようにみんなの意見をすこしは操作していたとおもう。それでも、怒りの原因すべてが誤解や無理解じゃないにしても、大部分はそうじゃないだろうかと今もおもうことが多い。

伝えようとして言葉や身振り、行動に表してみても、伝わらないことなんていくらでもある。
だから、伝えるのをあきらめたり、伝えること自体に意味がないとおもったりして、そのために自分のための理由や他人のための理由を持ち出したりする。

『バベル』には、「誤解」や「無理解」がたくさんある。なんとなく予想だけど、テーマを決めて物語を構築したというよりも、その時の監督の実感として、撮りたいものを集めたときに、それをまとめる手がかりが「誤解」や「無理解」だったんだとおもう。

日本、モロッコ、メキシコが舞台にして、4つの物語が進んでいく。耳の聞こえない女子高生と父親、モロッコを旅する夫婦、山羊使いの兄弟、乳母と二人の子供。それぞれに、親と子供の物語を内包している。でも、それは永久的に一時的に誰かが欠けている。仕事で忙しい父親と、この世にいない母親、亡くなった子、両親。兄弟の話については欠けているメンバーはいないけれど、事件が起こったのは父親がいないときだった。この映画が提示したかった一つの問いは「どうして子供たちのそばを離れたんだ」ってことだとおもう。

それから、無理解や誤解が横たわっているのは、世代間の差だけじゃない。文化や人種、言葉や感覚(聴覚)の違いの間にもあって、そのためにメキシコとモロッコの物語があるような気もする。

日本の描写については否定的な意見が多いようだけど、そういううまく描けていない部分を差し引いても、見る価値があるとおもう。映画を見たあとで責任転嫁したくなる気持ちもわかるけど、見る価値を見出せないのは映画のせいだけじゃなくて、見た人のせいでもあるとおもう。
どんなにくだらない映画でも、楽しめる人はいるし、どんなに丁寧につくられた映画だって見るに値しないと切り捨てる人はいるし、その逆だってありえる。そもそも、くだらないも丁寧も、素晴らしいも自分のものさしでしかないんだから。

それに、性描写や暴力表現についても、それがあること自体、もしくはその描き方に不快感を得た人がいることはいいことだとおもう。それらは物語に必要な描写として呼び込んだ場面であって、現実じゃない。不快感を喚起すること自体を目的に描いてはいないだろうけど、それが不快感を与えられるくらい現実味を帯びたものなら、描き方として成功しているといえるように思う。不快感ゼロの完全娯楽作品を望んでて、この映画を選んだ人がいたとしたなら可哀相だけど。

個人的には、ビルから見下ろすシーンがあって、印象的だった。天に届きそうな高さのビル。神様が、バベルの塔を建てるのを阻止するために、うまく意思疎通できないように言葉を分けたって話だったとおもうけど、それからテクノロジーが進化して、それこそ、バベルの塔みたいに高い建物を建てられるのに、無理解や誤解の問題は永久になくなりそうにないし、だからこそ、無理解や誤解に起因する傲慢さもなくならないとおもう。

4つのなかでは、兄弟の話が一番すき。

イニャリトゥは3作品みたけど、全部重たい。『21グラム』はもう一度見たいと思えないくらい重いし望みもない、『アモーレス・ペロス』も重い。そうじゃないだろ、とか。なんでそんなことするんだろ、とか。そういうふうに思いながら、登場人物の行く末をみつめることが多いような気がする。むしろ、そういうふうに倫理観に訴える作品を作る人だと思うから、俺はこの人の作品は、見る価値があるとおもうし、これからも見たいなとおもう。

内容(「GAGAデータベース」より)
2007年アカデミー賞外国語映画賞を受賞したドラマ。84年、東ドイツの国家保安局のヴィースラー大尉は、劇作家・ドライマンとその恋人で舞台女優のクリスタが反体制的であるという証拠を掴むため監視を始めるが、次第に彼らの世界に魅入られ…。


誰かと一緒にいてさびしいとおもうことがある。ひとりじゃないのに、さびしい、ってのは不思議な話だけど、ひとりのほうがマシだっておもう。だから、友達がすくないのかもしれないけど。
けど、ひとりになってみると、また、さびしくなる。きっと、そういうときの原因は、だれかと一緒にいることでもないし、誰かと一緒にいないことでもない。もっと根本的なことだとおもう。

たぶん、つながりを感じられるかどうかってことだとおもう。

この映画のように、誰かを「監視」して結ばれるのは、一方的なつながりでしかないとおもう。どれだけ、その人の声や、言葉や姿を通して、その人を認識しても、双方向的にはなりえない。もし双方向的になれば、それは監視としては失敗だから。
この映画の主人公も、ほとんどずっと一方的なつながりで、対象に接する。だから、主人公の視点で、映画をみていて寂しさを感じたのは、自然なことだとおもう。

どれだけ、目や耳で接しても、自分しか変わらない。それだけじゃなくて、なにかを変えたいとおもって、言葉を費やしたり、手や足でできることをしても、そのなにかが必ず変わるわけじゃない。人の善意どおりに世界が動くわけじゃないし、反対に、人の悪意どおりに世界が反応するわけじゃない。

そういう正しいあきらめみたいなものが含まれているから、この映画のラストシーンはあんなに感動的なんだとおもう。

追記
本当に心を動かされたものについて、だれかに感動を伝えるのはむずかしいとおもう。単純な言葉では、物足りない気がして言葉を費やしたりするけど、どうしても、伝えようとしすぎて感情過多になったり、見てもらいたい気持ちがつよすぎて、マインドコントロールしようとしてるような文章になったりする。

だから、この映画についても、そんなふうにしか書けないような気がする。

でも、本当に素晴らしい映画で、たくさんの人にみてもらいたいとおもう。明るい映画でもないし、笑えるシーンもほとんどないかもしれない。アクションもないし、派手な作品ではないとおもう。それに、涙ちょちょぎれるような感動話が満載、ってわけでもないのだ。とても切なくて悲しいシーンや身につまされるようなシーンはあったけど、自分は、ハンカチもティッシュも必要なかった。

けど、2時間とすこし費やしても、見る価値があるとおもう。

とてもしずかで、真摯な姿勢でつくられた作品だとおもう。
それでいて、すこしスリルがあるから、最後までみれる。

えんえん作り手の美意識を垂れ流すだけの自己満足な映画じゃない。


コタツが届いた。受領のサインをするときに「これできょうからあたたかいですね」といわれた、なんかいいきぶんになった。

さようなら、ぐらついたテーブル。おつかれさまでした。

あと、きのう、ひさしぶりに「ダイハード」みたら、ものすごい面白かったです。
たぶん、10年後にみてもおもしろいとおもう。あの作品、ほんと名作だね。
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どんな人にも、コンプレックスや他人には言えない秘密がある。映画のキャラクターは、それらを大げさに描きつつ、共感させるものだが、本作は、このパターンを完璧に実現した好例だ。ビューティ・コンテストに出る夢を持つ9歳のオリーヴが、「リトル・ミス・サンシャイン」というコンテストに繰り上げ出場することが決定。家族はミニバスを借り、会場のあるロサンゼルスを目指す。ヘロイン中毒の祖父や、一言も口をきかない兄、ゲイで自殺未遂を起こしたばかりのおじさんなど、問題だらけの彼らには、予想どおり波乱の道中が待つのであった。
オープニングの食事シーンだけで、家族全員の性格と役割が伝わってくるなど、演出と脚本、演技のすばらしさに感心するばかり。故障したミニバスを押しながら発進させるシーンに象徴されるように、家族のチームワークが余儀なくされるにつれ、それぞれが問題を乗り越えていく姿は観ていて微笑ましい。走る車内にカメラを据えるなど、低予算ならではの凝った映像も見どころ。強く美しい者が優れているという、現代アメリカ社会へのアンチテーゼも込められたラストは、家族の絆と各キャラへの愛おしさが最高潮に達し、目頭が熱くなる。笑いとともに人間への愛を見つめた秀作。(斉藤博昭)


とりあえず上のレビューに共感。

この映画を見て、何の共感も出来ない人がいるのかわからないけれど、そういう人たちはきっと満ち足りていて、とても幸せな人生を送っているんだとおもう。100パーセント肯定的な意味合いで、うらやましい。

ただ、逆に、つまらないんじゃないかなぁ、とおもう。

誰かの苦悩、ってやつは、「ざまあみろ」と思わせることもあれば、感動的でもあるからだ。目の前の状況に対して、なにかをしたいとおもわせるからだ。そいつが自分の身を切るほど切実であればあるほど、苦悩の傍観者って役割から、遠ざかりたい欲望が生まれるとおもう。

どうしてなのかわからないけれど、それを見た自分にも「苦しい」と感じる部分があって、そいつを取り除きたい気分になる。

それでも、どうしたらいいのか。わからないから何もしないこともある。なにもできない、役立たずな気分になったりする。もしくは、どうしたらいいのかわかったつもりで、ありがた迷惑な行為をしでかすこともあるとおもう。良心的な人間がいつも、周りにとって良心的な結果を残しているとは限らない。

「リトルミスサンシャイン」はとてもいい映画だ。

僕は、オリーヴのダンスシーンであほらしいなぁって笑いながら、泣いていた。ひさしぶりにわけのわからん感情を味わった気がする。家族がみんな、ほとんど的外れなやり方で、励ましたり踊ったり、抱きしめたり、一生懸命、やさしくしたいと思っていたからだ。

疎外感とか、大切な人をなくしたときや好きな人に愛されないときの悲しさとか、エロ本を買うのを知人に見られたときの恥ずかしさとか、見た目のコンプレックスとか、やりたいことをあきらめさせるような挫折とか、勝者と負け犬といった見方しかできない寂しさとか、傍から見てどんなにちっぽけに見える苦悩も、抱えている当人にとっちゃ、全然ちっぽけじゃないとおもう。

個人的には、その人たちを大切だとおもったら、時間をかけてでも理解してあげたり、どうにかしてあげたいとおもう。
そうじゃないと、自分ばっか愛してちゃ、すごくさびしいとおもう。

恋愛とかに限らず、家族とか、友達とか。どうにかしてあげたいとおもったときに、もしかしたら失敗するかもしれないけれど、空回るかもしれないけれど、何かしたい。

「リトル・ミス・サンシャイン」はそんなふうに思わせる作品でした。

実際、どうしたらいいのかわからず、おろおろすることが多いからかもしれません。

監督は、スマパンの「1979」や「Perfect」やレッチリ「By The Way」のミュージックビデオを監督していた夫婦らしいです。
映像もいいですが、脚本がとてもいいので、よかったら見てみてください。

かもめ食堂

2007年11月1日 映画
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
人気作家・群ようこの原作を、『バーバー吉野』の荻上直子監督が小林聡美主演により映画化。フィンランドのヘルシンキで「かもめ食堂」を経営する日本人・サチエの前に、ある日ミドリとマサコが現われ、店を手伝い始める。※一般告知解禁日:8月1日


隣の畑は青い、いや、違う。となりの芝生は青いのだ。私自身、その青さには、たじろいだことは少なくない。そばを頼んだときに、母親の食べているカツ丼がうまそうに見えたり、つまらない本を読んでいるときに階下でテレビを見ている両親の爆笑が聞こえたり、就職せずに留学しようとおもって実家でバイト生活をする自分と、自立してかっこよく見える正社員な元同級生たちなどなど。枚挙にいとまがない。

大抵、よく見えるのだ。外、って。
そんなこんなで、自分ばっか苦労してるようにおもったりなんだりして負のスパイラルに落ちてしまったときには、おそろしいくらいにじみ出しちゃったりしている。負け犬オーラ。

でも、意外と、大差がなかったりする。カツ丼を食べれば、ラーメンにしときゃよかった。テレビを見ていれば、本を読んどきゃよかった。正社員になれば、苦労が多くて、こいつは俺のやりたかったことじゃない、なんていいかねない。少なくとも、自分にとっては、それがリアルな気がする。

反面、どの道選んでもおいしさがあったりする。ラーメンもうまいし、本を読むときの興奮もあれば、時間があることは悪くなかったりする。ぬるすぎて出られないこともあるけどね、あいたたた。

その点、かもめ食堂は、すっごくよく見える。うらやましいなぁ。フィンランド行きてぇなぁ、なんておもったりなんだり。でも、フィンランド行っても、変わらないのだ。きっと青いのだ、隣の芝生。

彼女たちはフィンランドにいるから、うらやましく見えるのかもしれないけれど、それだけじゃない。小林さんのやさしくて凛とした美しさも、もたいさんの演技に流れるゆったりとした時間も、片桐さんの行き当たりばったりにみえる自由さも、フィンランドの背景じゃなくても見えただろう。彼女たちの、他の作品をみればわかるだろう。

いまここじゃだめだと、ここが自分をダメにしてる、っておもいたいときもあるだろうけれど、きっとそんなことはなくて、自分をだめにしてるのはだれでもなく自分な気がするのでした。

まえから気になっていたので見てみた。
「バーバー吉野」のほうがすきかな。

みんなお金持ち、なんだもの。
生活を描いているようで、お金という概念がすっぽり抜け落ちているように見えるのです。かなしい人も出てくるけど、舞台がユートピアや、切り離された社会に見える。

「バーバー吉野」のほうが、幸福について、お金から切り離されない地点で描いているような気もしなくない。

ただ、経済とか、そういう流れにとらわれてないところが、この映画のいいところだともおもう。
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山々に囲まれた田舎町。そこの小学生たちは皆、額の上で前髪をピッチリそろえたおかっぱ頭“吉野ガリ”で100年以上も統制されており、町の床屋「バーバー吉野」のおばちゃん(もたいまさこ)はそのヘンテコな伝統をかたくなに守っていた。しかし、ある日東京から転校生が現われ、吉野ガリのヘンテコさを指摘したことから、町は一大騒動へと発展していく…。
PFF出身の新鋭・荻上直子監督の長篇劇映画デビュー作。大自然の中、まるで修道士のように映る少年たちの思春期の始まりをみずみずしく捉えながら、悪しき(?)伝統と対峙していくコメディー映画である。ご想像の通り、もたいまさこが何とも言えない味わい深い怪演を見せてくれている。元少年だった立場の者からすると、劇中の少年たちはどことなく女性の視点で神格化されすぎているような違和感も覚えるが、これまで男性監督が少女を神格化する作品ばかり撮ってきた映画史的事実を振り返るに、これでおあいこといったところか。透明感あふれる全体のタッチには、この新鋭監督の未来を大いに期待させるものがあった。(的田也寸志)


今日は、3まいのDVDをかりてきた。
帰宅後、ぼーっとして午前2時だったので、4時に寝るつもりで、一番みじかい「バーバー吉野」をみた。

おもしろいし、なきそうになってしまった。
ただ、わたしははなはだなみだもろく、映画の予告編でさえ涙目になるくらい私の眼球は、涙を量産しておりますので、どうか信用しませんように。

内容は、小さな村に昔からあった風習、男子はみな同じ髪型「吉野ガリ」にするという伝統が、東京から来たかっこいい髪型の転校生によって、変わっていく話。

同じ髪型の強要は、アイデンティティーの危機?
んな、アホな、とおもってしまうのが大人で、そりゃ大人はそんなもんでアイデンティティーの危機に陥っていたら生活が成り立たないもの。でも、実際、前髪けなされただけで、一日落ち込んじゃうような人もいるのが、この世界なのだ。とわたしはおもう。

かっこいい髪型。なれるものならなってみたいものである。かくいうわたしの髪は、公然猥褻こけしカットの成れの果てのように、だらしなくのびきっており、その思いは一塩である

天狗祭のシーン、わたしはお母さん、かわいそうだなぁと思って見ていた。ガキンチョ、かっこいいこと言ってるけど、吉野君のお母さんの気持ちはどうなんの。みんなの敵みたいじゃないか、「吉野ガリ」はたしかにだっさいけど、でも、自分がおかあさんだとおもったら、むねがくるしい。

でも、すぐに、自分が思いを重ねていたのは、お母さんだけじゃなく、吉野君の心情だったんだとわかった。それは、決意表明のあとの吉野くんのセリフが、ただの傍観者である自分ととっても似ていたからだ。いや、むしろ映画に引き込まれて、かれに感情移入していたのかもしれないけど。

誰かを説得しようとするのって、ホネが折れる。

その過程で、相手を傷つけてしまいかねない。それに、結局、自分の言い分に合わせて、他人をコントロールしようとしているんじゃないかともおもう。

言いたい事をそのまま言葉にするのは、むずかしくないけれど、相手に届くように、傷つかないように伝わるようにいうのはむずかしいって話なのかもしれない。でもどうだろう、そんな教訓にはまらない映画なんかな。

単なるリベラル礼讃に終わらなかったところがよかった。

星4.25くらいだとおもう。映像はわりときれいだし。こだわりが感じられて好き。生活という視点に近い。でも、外の世界が見えないし、あんまり、やさしくない人がいないから。

どこに行っても、絵に描いたような悪人っていないんだろうけど、それでも、この映像世界だけで通用するようなやさしさだったりしないかなぁ、とおもってしまうから
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まるで時代をタイムトリップしたかのような賄い付きのレトロな下宿を舞台に、そこに集う多種多様な女性たちによって繰り広げられるあまりにも日常的にして、あまりにも非日常的な人生の悲喜交々を綴った大人のアンサンブル・ドラマ。
1983年の風俗三昧の冒頭から2003年にドラマは一足飛びするも、漂うノスタルジーは全編を通じて変わることがない。一見、何気ない日常を扱っているようで、実は常に人生の一大事を見つめているところがこのドラマのミソだ。ほのぼのテイストにオブラートして、出るわ出るわの根源的な人生の問いかけ。そしてドラマを見終わった後には、たまらなく人間がいとおしく思えてくる。そろいもそろった異色女優陣の掛け合いは、そのいずれもが見ごたえあり。3 億円横領犯としてドラマを通して逃走中の馬場ちゃん(小泉今日子)の境遇が、ドラマに絶妙のアクセントを与えている。(麻生結一)

内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
小林聡美やともさかりえ、小泉今日子ら実力派のキャストで贈るコメディドラマの4枚組BOX。性格も境遇も違う5人の女性たちが、ある下宿での生活を通して自分を見つめ直し、それぞれが少しずつ成長していく姿をユーモラスに描く。全10話を収録する。


登場人物のほとんどが善人だけれど、この物語のなかでしか通用しないやさしさなのかもしれないけれど、このドラマはすごくよく出来ていて、日常に近い気がする。

おおげさじゃない物語が、すごくいいです。

木皿泉は、「すいか」以外にも「セクシーアンドボイスロボ」なんかの脚本を書いていた人。
どちらもすばらしい脚本だとおもう。ふたり組みだそうです。
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2006年ヨーロッパ映画賞芸術貢献賞ほかを獲得し、映画ファンの話題をさらったファンタジックな恋愛ムービー。主演は、ガエル・ガナシア・ベルナル、シャルロット・ゲンズブール。現実では思うままにならなくても、せめて夢の中では素敵な恋愛を楽しみたい…誰でも一度はそんな思いを抱いたことがあるはず。仕事にも恋にも不器用な青年・ステファン(ガルシア)が、夢の世界で憧れのステファニー(シャルロット)との恋を成就させていくストーリーは、文字どおり“夢のように”幸せで、思わずのめりこんで観てしまう。髪がボサボサで冴えない現実の彼も、物語を追ううちにキュートに見えてくるから不思議。ステファンの中で夢と現実の境界線があいまいになってきてしまう様子にはちょっぴりヒヤヒヤするが、ほろ苦くも幸せな結末が印象的。(みきーる)


彼女が借りといてくれたので見た。

おもしろいです。結末が、印象に残りました。
静かな幸福感が伝わってくる、きれいなシーンだった気がします。

コメディではないけれど、けっこう笑える映画のような気がします。

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