「There will be Blood」をようやく最後まで見た。

よくわからない。

けれど、これまでのポールトーマスアンダーソンの映画とはかなり違うとおもう。
とてもシリアスです。いや、これまでもシリアスな部分もあったとおもうけど、そこにはユーモアがあって、息抜きができたから、ちょっとそこが違うとおもう。
今回の作品はとくにユーモアのあるシーンがすくなくて、すごい息が詰まりそうになりました。

雰囲気は、キューブリックの作品に近い気がします。ただ、キューブリックの作品もシリアスで、ユーモアがあるわけではないけど、そんなに閉塞感はないような気がするけど。

なんかでも言い訳がないから、生々しいというか。
説明的なセリフを吐く人間も出てこない。

生々しく、欲望が描かれてる。たぶん、ある石油屋の仕事についての映画ではなく、ある石油屋についての映画だとおもう。

最後のシーンがかっこよかった。人物がかっこいいんじゃなくて、それを最後のシーンにしたPTAがかっこいいとおもう。
人間の欲深さに焦点をあててつくった作品だとおもう。

欲望を解消するような解決策をみつけて、それを満たしてあげても、また物足りなさを感じるときがやってくる。大好きな人と一緒の時間を過ごせることが、大事だったのに、その人がしてくれることに不満を感じはじめたりするし、欲望の飽和点はないとおもう、
あるとすれば、死があるだけで。もしかしたら、死んだ後も、消えない欲望があるかもしれないくらいだし。

だから、欲望を満たす物語は、それが物語だからこそ終わりがあるけど、
見ている人にとっては、このいたちごっこみたいなものは死ぬまで続くことだとおもう。

だからって、欲望の行き着く先はなくて、結局のところ、時間で切り刻んだ瞬間、瞬間で満足感の浮き沈みがあるだけだとしたら、それを埋めることに意味はないじゃん。って話にはならない。

あるのだ。たぶん。

意味なんかなくても、ある程度の満足感がなければ、生きててつまんないもの。ただ、物足りなさが消滅することはないってことと、程度を超えた欲望は狂気みたいにみえる、ってこと。それから、欲望を満たすことがかならずしも幸福にはつながらない、ってことだけはたしかだとおもったりなんだり。

だとしたら、この駄文書き連ねてる自分を今うごかしてる欲望も、いまこの瞬間1時12分にすこしだけ満たされるだけで、音楽を聴く自分の欲望もすこしだけ満たされるだけなのかも。

終わるのは映画のなかだけ。

なんか色々反省、もうちょっと小さな満足感を見つけられるになったほうがよさそう。
やりたい、やりたくない、も大切だけど、もういい大人なんだし。

追記
毛糸ブッシュのこの曲の世界って、なんかゴスっぽいね。

コメント

らっと
らっと
2009年2月12日1:38

コメント連投ごめんなさいっす。(←?)

私も5日前くらいにゼアーウィルビーブラッド見た。
よく分からなかった。
ハッピーエンド以外は嫌いです。

ジョニーの音楽も、合ってんだか、合ってないんだか。
喉の奥に小骨が沢山つっかえてて、今でもなんだか苦しいです。

てか、毛糸。

31歳
2009年2月12日18:30

いやいや、コメントありがたいっす。

らっとさんも最近、「There will be Blood」みたんだ。
正直よくわからんよねぇ、あれ。なんだかもやもやするし。
なにかがひっかかってる感覚ってすごいわかる気がする。

そしてサントラ、ジョニーさんだったんだ。全然しらなかった...
不安になる音というか、ぎくしゃくした音ばっかだったね。
そういう注文だったのかな。

毛糸さん、カタカナ変換めんどくなってそのままにしてしまったのです。

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