善き人のためのソナタ
2008年11月15日 映画 コメント (2)内容(「GAGAデータベース」より)
2007年アカデミー賞外国語映画賞を受賞したドラマ。84年、東ドイツの国家保安局のヴィースラー大尉は、劇作家・ドライマンとその恋人で舞台女優のクリスタが反体制的であるという証拠を掴むため監視を始めるが、次第に彼らの世界に魅入られ…。
誰かと一緒にいてさびしいとおもうことがある。ひとりじゃないのに、さびしい、ってのは不思議な話だけど、ひとりのほうがマシだっておもう。だから、友達がすくないのかもしれないけど。
けど、ひとりになってみると、また、さびしくなる。きっと、そういうときの原因は、だれかと一緒にいることでもないし、誰かと一緒にいないことでもない。もっと根本的なことだとおもう。
たぶん、つながりを感じられるかどうかってことだとおもう。
この映画のように、誰かを「監視」して結ばれるのは、一方的なつながりでしかないとおもう。どれだけ、その人の声や、言葉や姿を通して、その人を認識しても、双方向的にはなりえない。もし双方向的になれば、それは監視としては失敗だから。
この映画の主人公も、ほとんどずっと一方的なつながりで、対象に接する。だから、主人公の視点で、映画をみていて寂しさを感じたのは、自然なことだとおもう。
どれだけ、目や耳で接しても、自分しか変わらない。それだけじゃなくて、なにかを変えたいとおもって、言葉を費やしたり、手や足でできることをしても、そのなにかが必ず変わるわけじゃない。人の善意どおりに世界が動くわけじゃないし、反対に、人の悪意どおりに世界が反応するわけじゃない。
そういう正しいあきらめみたいなものが含まれているから、この映画のラストシーンはあんなに感動的なんだとおもう。
追記
本当に心を動かされたものについて、だれかに感動を伝えるのはむずかしいとおもう。単純な言葉では、物足りない気がして言葉を費やしたりするけど、どうしても、伝えようとしすぎて感情過多になったり、見てもらいたい気持ちがつよすぎて、マインドコントロールしようとしてるような文章になったりする。
だから、この映画についても、そんなふうにしか書けないような気がする。
でも、本当に素晴らしい映画で、たくさんの人にみてもらいたいとおもう。明るい映画でもないし、笑えるシーンもほとんどないかもしれない。アクションもないし、派手な作品ではないとおもう。それに、涙ちょちょぎれるような感動話が満載、ってわけでもないのだ。とても切なくて悲しいシーンや身につまされるようなシーンはあったけど、自分は、ハンカチもティッシュも必要なかった。
けど、2時間とすこし費やしても、見る価値があるとおもう。
とてもしずかで、真摯な姿勢でつくられた作品だとおもう。
それでいて、すこしスリルがあるから、最後までみれる。
えんえん作り手の美意識を垂れ流すだけの自己満足な映画じゃない。
コタツが届いた。受領のサインをするときに「これできょうからあたたかいですね」といわれた、なんかいいきぶんになった。
さようなら、ぐらついたテーブル。おつかれさまでした。
あと、きのう、ひさしぶりに「ダイハード」みたら、ものすごい面白かったです。
たぶん、10年後にみてもおもしろいとおもう。あの作品、ほんと名作だね。
コメント
すべての品にコメントするのを見てみたい。
たしかに見てみたいっすね。
電動餅つき機だと、「これで今日からつきたての餅を食べれますね」っていわれるんでしょうか。おろし器だと、これで今日から大根おろせますね。とか
いってくれたらいいなぁ。
どう答えたらいいのかわからないスリル感がいいです。
そうですねぇ、つけますねぇ。
とか。
そうですねぇ、おろせますねぇ。
とか
たぶん、当たり障りのないことを言ってしまいそうですが。
思いのほか、妄想がふくらみました。。。すみません。