フライドポテト

2007年11月7日
左手ひとさし指の爪の、つやのある尖端のうつくしさをフライドポテトに食い込ませた彼女は、うっすらとグロスが塗られた唇へそいつをはこんだあと、咀嚼しながら、声のない顔で宙をみた。

僕は、食べるのに飽きて、油で汚れた指の皴を、ティッシュペーパーにこすりつけると、彼女のよれよれの指紋が半透明に滲んだ白い紙を、ごみ箱になげた。

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